介護はいろいろな人と関わります。
職名で呼ぶのか、名前で呼ぶのが良いのか、、、。
ある日、看護師さんとの会話の中で「PT」って言葉が出てきて、「えっ?」ってなりました。
私だけでしょうか?
なので、今回は主な介護職の名前と仕事の内容を見てみることにしました。
介護職を知ることのメリット
居宅介護にした場合は自宅にスタッフさんが来てくれたり、デイサービスを利用すればデイサービスのスタッフさんと連絡を取り合ったりするでしょう。
さて介護が始まるとなると、様々な介護職の人達が自宅に出入りするので、一体誰が何の仕事をしているのか分からなくなってしまうことがあるんですよね。
普段、「佐藤さん」とか「鈴木さん」などと呼んでいたりすると、その人が看護師さんなのかヘルパーさんなのかごちゃごちゃになって困ることがあります。
ある時は「〜をPTに伝えておきます。」などと言われ、誰?って事になった事もあります。
いつもはリハビリの〇〇先生と呼んでいたので一瞬話が通じませんでした。
知っていればそんな心配もいらないですけどね。
また、どのスタッフがどういう目的で介護に携わってくれているかを把握することで、何か困ったことや心配なことがあった時にスムーズに連絡が取れ、安心で安全な介護ができるのではないかと思っています。
介護に携わる職種は様々あるけど、どんなものがあるの?
介護現場で働くスタッフは大きく分けて3つに分けられる
介護の現場で働くスタッフは、居宅介護や施設介護ともに大きく分けて次の3種類の分野に分けられます。
- 介護系・・・ヘルパー、ケアマネジャー、サービス提供責任者、介護福祉士 など
- 医療系・・・医師、看護師、機能訓練指導員 など
- その他・・・行政担当者、福祉用具事業者、住宅改修事業者 など
介護系スタッフ
ケアマネジャー
ケアマネジャーは、介護保険の利用者に対して介護プラン(ケアプラン)を立て、介護サービス事業者との契約や調整などをします。
介護される人の生活様式や要介護度などを踏まえて、必要なサービスの提案をすることで利用者とその家族を全面的にサポートする仕事です。
介護に関して、分からないことや希望することがあれば、まず第一にケアマネジャーに相談するといいでしょう。
その為にも、話しやすい、親身になって相談に乗ってくれる、すぐに対応してくれるケアマネジャーさんを探す事は重要です。
サービス提供責任者
サービス提供責任者とは、訪問介護事業所でケアマネジャーやヘルパーとの連絡・調整をする業務を行う人のことです。
ケアマネジャーが立てたケアプランを基に、訪問介護サービスの計画を立てたりやヘルパーへの指示・指導などを行います。
さらに、利用者の家族とコミュニケーションを図り、介護サービスの説明や同意を得ることも行います。
事業所によっては、ケアマネジャーさんよりも利用者により近い立場で相談に乗ってくれる場合もあります。
ヘルパー(ホームヘルパー)
介護が必要な高齢者などの自宅を訪問し、身体介護(食事介助、入浴介助、排泄介助など)や生活援助(掃除、洗濯、買い物、料理など)の介護サービスを提供する人のことをいいます。
介護士とは
介護士とは、介護施設で介護の仕事をする人のことをいいます。
同じ仕事内容や資格でも訪問介護ではヘルパー、施設では介護士というのが一般的なようです。
介護福祉士
介護福祉士とは、社会福祉専門職の介護に関する国家資格を取得した介護士のことをいいます。
介護福祉士の仕事は、介護が必要な高齢者などに対して介護者からの相談に応じてアドバイスをしたり、介護者の精神面での支えになったりすることが主な仕事です。
ソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーは高齢者福祉施設や障害者福祉施設、行政機関や医療機関である病院などで、相談者に対して早期の社会復帰や施設内でのスムーズな生活などを支援する為、様々なアドバイスや指導をしたりする仕事です。
社会福祉施設であれば「生活相談員」と呼ばれています。
医療系スタッフ
医師
居宅介護の場合、定期的に訪問し診療計画のもと医療的管理を行います。
1〜2週間に一度の頻度で訪問するのが一般的です。
施設の場合は、医師が非常勤であることが多いようです。近隣の提携病院や診療所の医師が2週間に一度の頻度で診療する施設が多く見受けられます。
老健や他の一部の施設では常勤の医師がいる場合もあります。
看護師
居宅介護では、訪問看護といい、看護師が自宅に来て病気や障がいに応じた看護をしてくれます。定期的に健康状態を見てくれます。
必要であれば主治医の指示のもと、医療処置も行います。
介護施設では、施設入居者の健康管理や医療行為を行います。
常勤医師がいない介護施設の場合、入居者の容体が急変した際には、看護師が応急処置、救急隊員や医師への引き継ぎをします。
理学療法士(PT)
理学療法士はリハビリテーションの専門職です。事故や病気、加齢により身体機能の衰えた高齢者に対し基本動作能力(立つ、歩く、座る等)の回復や能力維持、予防を目的としたリハビリを実施します。関節や筋肉等、人体の構造の知識を生かし、一人ひとりに応じたリハビリ計画の作成をし、その計画をもとにリハビリを実践します。
作業療法士(OT)
作業療法士はリハビリテーションの専門職です。トイレをする・着替える・料理をする・買い物へ行くなど、基本的な生活の動きを使った活動の中で問題を探し、一人一人に合った形で作業を通じて指導します。
言語聴覚士(ST)
言語聴覚療法士は、リハビリテーションの専門職です。言語(言葉)に障害を持つ人に対して、コミュニケーション(話す、聞く、読む、書く)と嚥下(飲み込み)の障害に対してリハビリを行います。
その他
福祉用具事業者
主に「福祉用具貸与事業」を営んでいる事業者のことです。
居宅要介護者・要支援者に対して、日常生活の便宜を図る為、自立を助けるための用具を貸与する事業を言います。
なお、福祉用具には「貸与」と「販売」がありますが、排泄や入浴に関するもの等他人が使用したものを再利用することに抵抗のあるものなどは特定福祉用具販売の対象になっています。販売に関しては10万円/年を上限として給付されます。要支援、要介護ともに、在宅サービスの支給限度額とは別枠で利用できます。
住宅改修事業者
住宅の玄関、廊下、浴室、トイレなどに手すりをつけたり、段差をなくしたりする住宅改修を請け負う事業者。居宅介護住宅改修費(介護予防住宅改修費)という介護保険サービスを利用し、これまで住み慣れた自宅でも安全に安心して暮らせるように住宅改修を行うことができます。
20万円を上限として給付されます。要支援、要介護ともに、在宅サービスの支給限度額とは別枠で利用できます。
介護のサービスを支えているのはこれらの職種だけではありません
実際には、上記の介護職の他にも介護施設や事業所では、様々な職種の方が働いています。
- 介護事務
- 送迎バスや車両を運転するの運転士
- 介護タクシーの運転士
- 栄養士、調理師
- 清掃員
- 訪問診療の歯科医師、衛生士
なども介護サービスを支える職業です。
また、ひとりのスタッフがいくつもの役割をしている場合もあります。
まとめ
ここでは、介護サービスを受ける上でこれだけは知っておきたい、という職種に限って紹介しました。
介護が始まったばかりは、聞き慣れない言葉や、今まで関わったことのない職種の人と連絡を取り合ったりします。
職種と名前だけを覚えておけば、あとはわからない事はその専門の人に聞けばいいだけです。
初めは大変ですが、徐々に慣れていきますよ。