在宅で介護を始めた時、いろいろな介護用品をレンタルしたり購入したのですが、ほとんどの物が介護保険が使えました。
その中で、介護保険が使えないものがありました。
この記事で介護保険が使えるもの、使えないものを知って、損しない様にしましょう。
浴槽内の滑り止めマットは介護保険が使えない
在宅で介護を始めるとなると、家の中を介護用に整える必要が出てきます。
転倒予防の手すり、介助しやすい様に介護ベッド、そして車いすなどですね。
多くの福祉用具はレンタルで準備できますが、貸与の対象にならないものがあります。
それらの福祉用具が必要な場合、購入しなければなりません。
さらに、購入するにしても、介護保険が使える物と使えないものがあります。
実は「浴槽内の滑り止めマット」は自費で購入しなければならないのです。
では、どの福祉用具が介護保険が使えて、どの福祉用具は使えないのか見ていきましょう。
特定福祉用具とは購入する際に介護保険が適用される福祉用具
特定福祉用具とは
購入する時に介護保険が適用される福祉用具のことを特定福祉用具といいます。
対象になる品目は直接肌に触れるもので他の人が使用したものを再利用することに抵抗のある、トイレや入浴の際に使用する用品です。
年度内10万円が上限額になり、介護保険の負担割合が1割の方は10万円購入した場合、1万円負担で9万円が支給されることになります。
また、同一種目を複数購入することができません。
介護保険の認定を受けている方は、5種目の特定福祉用具を購入することができます。
(要介護の方は特定福祉用具、要支援の方は特定介護予防福祉用具といいます。)
特定福祉用具の5種目とは
腰掛便座
次のいずれかに該当するもの
- 和式便器の上に置いて腰掛け式に変換するもの
- 洋式便器の上に置いて高さを補うもの。
- 電動式またはスプリング式で便座から立ち上がる際に補助できる機能を有しているもの。
- ポータブルトイレ(便座、バケツ等からなり、移動可能である便器)
自動排泄処理装置の交換可能部品
次の条件を全て満たすもの
レシーバー、チューブ、タンク等のうち尿や便の経路となるもの
尿または便が自動的に吸引され、居宅要介護者等又はその介護を行うものが容易に使用できるもの
入浴補助用具
座位の保持、浴槽への出入り等の補助を目的とする用具で、次のいずれかに該当するもの
- 入浴用椅子
- 浴槽内椅子
- 入浴台
- 浴槽内すのこ
- 浴槽用手すり
- 入浴用介助ベルト
- 浴室内すのこ
簡易浴槽
空気式または折りたたみ式等で容易に移動できるものであって、取水または排水のために工事を伴わないもの
移動用リフトのつり具の部分
身体に適合するもので、移動用リフトに連結可能なもの
介護保険を利用したいけど、どうやって購入するの?
介護保険の適用を受けるには、都道府県指定の事業者「指定福祉用具販売事業者」から購入しなければなりません。
要支援・要介護認定されている人は1割(負担割合により2割、3割)の負担で特定福祉用具・特定介護予防福祉用具を購入することができます。
特定福祉用具購入の流れ
介護保険を利用して福祉用具を購入するためには、次のような流れになります。
ケアマネジャーに相談
福祉用具を購入希望の旨をケアマネジャーに相談、もしくはお住まいの最寄りの地域包括支援センターに相談します。
↓
「福祉用具サービス計画書」作成
ケアマネジャーが利福祉用具サービス計画書を作成します。
ケアマネジャーは利用者の希望を聞き取り、心身の状況や置かれている環境をふまえて計画します。
↓
申し込み
ケアマネジャーが指定を受けた福祉用具事業者に申し込みをします。
この事業者の「福祉用具専門相談員」が、福祉用具のレンタルや購入に関する担当になるので、福祉用具に関しては何でも相談してみるとよいでしょう。
↓
商品到着、支払
商品が到着したら一旦は、自己負担で費用全額を支払います。
↓
介護保険の利用申請
全額自己負担で支払った後、「福祉用具購入費支給申請書」を市区町村の窓口に提出します。
↓
介護保険分の還付
ケアマネジャーの紹介の事業者以外から特定福祉用具を購入できないのでしょうか?
百貨店やスーパー
百貨店や大きいスーパーなどでは介護用品を扱っているところもありますね。
実際に触ったり、大きさや使用感を体験することもできるところは良いでしょう。
上記の介護保険が利用できる品目であれば介護保険の助成を受けた方が負担が少なくなります。
指定福祉用具販売事業者かどうか確認して購入しましょう。
通信販売・ネットショップ
今の時代、買い物はネットでするのが便利ですよね。
たくさんの商品から選ぶことができますし、最安値のお店を選んだり、サービスの良いお店を選んだりと比較検討ができます。
ただ実際に触ったりできないので、届いてからイメージしていたものと違うなどの心配があります。
また、通信販売での購入は介護保険の適用にならない為、購入は全額負担になります。
介護保険が適用にならないものや、上限額の10万円をすでに超えていて更に必要なものがあった時に利用すると良いでしょう。
リサイクル業者
介護用品を扱っているリサイクル業者から購入する、という選択肢もあります。
リサイクルの介護用品は、新品よりも安く購入できるところは魅力です。
当然ながら販売の前には消毒やメンテナンスが行われますが、リサイクルに抵抗のある方もいらっしゃると思います。
リサイクル品に関しては、商品の状態がどの程度か、実際に自分の目で確かめてから購入した方が良いでしょう。
特定福祉用具を購入する際の注意点
10万円を超えた分は全額自費
同じ種目のものは買えない
はじめにあれもこれもと10万円の上限額いっぱいに購入してしまうと、年度内に必要なものが出てきた時にその分は全額自費、ということになりかねません。
優先順位を決めて必要なものから購入するようにしましょう。
それでもどうしても10万円を超えてしまった分に関しては自費になる事だけ気をつけてください。
例)12万円のポータブルトイレを購入 1割負担の方の場合
上限額10万 × 1割 = 負担額10,000 円
自費分 20,000 円
なので3万円支払うことになります。
もうすでに限度額に達してしまったという方は、同じもので安く販売しているなら通信販売やネットで購入するのもアリかと思います。
それ介護保険使えないの?それならネット利用でお得にゲット!
消耗品は自費
消臭剤などの消耗品は全額自費になります。ドラッグストアや通信販売などで安く手に入れましょう。
介護用おむつ、リハビリパンツなどはお住まいの自治体で助成金が出たり、支給されたりすることが多いですよね。
それでも足りない場合は自費で購入になります。
浴槽内滑り止めマット
「浴槽内滑り止めマット」は介護保険が利用できません。
「浴槽内すのこ」「浴室内すのこ」は介護保険が利用できますが。 でも必要じゃないですか。滑り止めマット。
私は指定の業者さんから¥5300で購入してしまいました。
後になって調べてみると 全く同じ商品が、楽天市場で安く売っているではありませんか!
なんで楽天で買わなかったんだろって後悔...
商品はさすがに業者の福祉用具専門相談員さんのオススメだけあって、安心感のあるズッシリとしたマットです。
大(幅87cm×奥行38cm×厚み0.3cm) レッド/ブルー/グリーン の3色、 サイズは大/中/小 の3種類 重さは約1.6kg ですが、浴槽の中でしっかり踏ん張ってくれています。
色が鮮やかなのでお風呂が楽しく明るい雰囲気になるし、マットが敷いてあるってわかるとより安心です。
シャワーチェア取り替えパッド
浴室内で使用するシャワーベンチの座面や背もたれのクッション部分は使用していると劣化してきますよね。
また、使用後正しく乾燥させないとカビが生えたりして、
そうなると、やっぱり交換ですよね。
シャワーベンチ本体一式は、介護保険を利用して購入できますが、背もたれや座面の部分を取り替えようとすると自費の購入になります。
指定福祉用具販売事業者さんには気軽に相談しよう
指定福祉用具販売事業者の福祉用具専門相談員には介護用品のレンタルでもお世話になっている方もいらっしゃると思います。
レンタルの福祉用具や特定福祉用具のことだけでなく、介護をする上での便利グッズの情報に詳しかったりするので、なんでも相談してみるといいですよ。
安く購入できるものは安いお店から、安全や安心を優先するなら指定福祉用具販売事業者さんから、と上手に使い分けられるといいですね。